67:0.1 ユランチアの人間生活に関する問題は、過去の特定の画期的な時代に関する知識、とりわけ惑星の反逆の発生と結末に関する知識なくして理解することは不可能である。この激変は、生物進化の進度を由々しく妨げはしなかったが、社会的発展と精神開発の過程を著しく変更した。惑星の超物質的歴史全体は、この破壊的な不幸な出来事により大いに影響を受けた。
67:1.1 サタン、つまりルーキフェレーンスの助手が、ある定期視察をしたとき、カリガスティアは、ユランチアを30万年にわたり担当していた。惑星到着時のサタンの外観は、決して邪悪な威光をもつ風刺画に似てはいなかった。卓越し優れた明敏さをもつラノナンデクの息子であったし、今でも、そうである。「しかし、驚くには及ばない。サタン自身が、光の輝かしい被創造者なのであるから。」[1]
67:1.2 サタンは、この視察中にルーキフェレーンスのカリガスティアに「自由の宣言」を提案し、王子は、今我々が知っているように、反逆発表に際し、惑星を裏切ることに同意した。忠誠な宇宙の人格は、この計画的な裏切りに対し、独特の蔑の目でカリガスティア王子を見ている。創造者の息子は、次のように言ったとき、この軽蔑をはっきりと口にした。「あなたは、あなたの指導者のルーキフェレーンスのようである。そして、罰当たりなことに彼の邪悪行為を永続化させた。ルーキフェレーンスは、真実に生きることなく最初から自己賛美の歪曲者であった。」[2]
67:1.3 局部宇宙の全管理業務におけるいかなる高い信用も、新たな棲息世界の進化的人間の福祉と指導への責任を担う惑星王子に頼るということほどには神聖にはみなされなかった。悪のすべての型のうち信頼への背信と全面的な信頼を置く友人への不実ほど人格的信望にとり有害なものはない。カリガスティアは、この意図的な罪を犯すことにより、以来決してその心の均衡を取り戻すことができないまでに人格を完全に歪めた。
67:1.4 多くの罪の見方があるが、宇宙の哲学的観点からの罪とは、宇宙現実に故意に抵抗する人格の態度である。誤りは、誤解か現実の歪曲と見なされる。悪は、宇宙現実の部分的実現、もしくは宇宙現実への適応不全である。しかし、罪とは、神性現実への意図的抵抗—精神的進歩に逆らう意識的選択—であり、一方邪悪とは、認識された現実に対する公然の、しかも持続する反抗的態度であり、それほどまでに高い個性崩壊の度合は、宇宙現実からの逸脱の境界線にいることを意味する。
67:1.5 誤りは知性の鋭敏さの欠落を示唆する。悪は知恵の欠如、罪は絶望的な精神の貧困さ、しかし、邪悪は、消えゆく人格制御を暗示する。
67:1.6 罪が、幾度となく選択されたり頻繁に繰り返されていくと、それは習慣となるかもしれない。常習的罪人は、容易に邪悪になり得る、つまり宇宙とその神性現実のすべてに対し根っからの反逆者になり得る。ありとあらゆる種類の罪が許されるかもしれないが、我々は、邪悪になりきった者がその悪行に対し心から悲しみを経験したり、その罪への許しを受け入れるかどうかを疑う。
67:2.1 サタンの視察直後、惑星の執行部が、ユランチアで大事を現実化に近づきつつある時、カリガスティアは、ある日、北大陸の真冬、同僚のダリガスティアと長い会議をし、後者は、そののち特別会議のためにユランチアの10の緊急協議会を召集した。この集会は、カリガスティア王子がユランチアの絶対主権者であると宣言しようとしているという声明で開始され、声明は、惑星政府の再編成と行政官庁のその後の官職再配分をそのままにして、全職務と全職権を受託者としてのダリガスティアの手に譲り渡すことにより全行政集団が退くことを要求した。
67:2.2 度肝を抜くようなこの要求提示後に、調整機能をもつ最高協議会の議長であるヴァンは、熟達した要請をした。この著名な管理者で有能な法学者は、カリガスティアの提案の方向性を惑星反逆に近い行為であると決めつけて、サタニアの体系君主であるルーキフェレーンスに上訴が取り上げられるまでは会議出席者にすべての参加を控えるように求めた。そこで、全部下の支持を得た。上訴は、それに応じてジェルーセムに回され、直ちにユランチアの最高主権者としてカリガスティアを指名し、かれの命令への絶対無条件の忠誠を要求する指令が戻ってきた。 高潔なヴァンが、ダリガスティア、カリガスティア、それにルーキフェレーンスがネバドンの宇宙主権の侮辱罪を負うとして3名の正式起訴のために7時間におよぶ忘れがたい演説をしたのは、この驚くべき通達に答えてのことであった。そうして、エデンチアのいと高きものに支援と承認を求めた。
67:2.3 その間にも、受送信回路は危機に陥った。ユランチアは孤立状態であった。惑星の天の生命のあらゆる集団は、突然に何の前触れもなく、外部からのすべての忠告と助言から全く切断されてしまった。
67:2.4 ダリガスティアは、カリガスティアが「ユランチアの神であり、すべての上で最高」であると正式に宣言した。全員の前でのこの宣言で問題は明確にされた。各集団は、それぞれに分かれ、最終的には惑星のあらゆる超人的人格の運命を決定することになる審議や討議に入った。[3]
67:2.5 熾天使や智天使、および他の天の存在体が、この痛烈な闘争、この長くて罪深い相剋の決定にかかわった。その孤立時点でユランチアにたまたま居合わせた熾天使やその仲間のような多くの超人的集団は、ここに引き止められ、罪と正義—ルーキフェレーンスの道と見えない父の意志—のどちらかを選択を強いられた。
67:2.6 7年以上もこの闘争は続いた。関係しているあらゆる人格が、最終的な決定を下すまでは、エデンチア当局は、干渉、あるいは介入をしなかったし、しようともしなかった。ヴァンとその忠誠な仲間は、長引く不安と堪え難い未決定に対する擁護も、解放もその時まで受けることはなかった。
67:3.1 メルキゼデク協議会は、サタニアの首都ジェルーセムにおける反逆勃発を放送した。非常時勤務のメルキゼデク達は、すぐにジェルーセムに派遣され、ガブリエルは、その権威が問題にされた創造者たる息子の代表として務めることを申し出た。この放送により、サタニア系の反逆事実についての体制は孤立し、その姉妹系列から隔離された。サタニア本部の「天の戦い」があり、それは局部体制のあらゆる惑星へと広がった。[4]
67:3.2 ユランチアでは、100名の有体部下の中の40名が(ヴァンを含む)、暴動参加を拒否した。部下の人間の同僚(変更されたものとそうでないもの)の多くもまた、マイケルとその宇宙政府の勇敢で高潔な擁護者であった。熾天使と智天使の中に凄まじい人格の損失があった。惑星に配属された行政熾天使と変遷熾天使のほぼ半数が、ルーキフェレーンスの主張を支持しその指導者とダリガスティアに加わった。4万119名の第一中間生物が、カリガスティアと手を握り合ったが、残りの存在体は、依託に対し忠実なままでいた。
67:3.3 反逆の王子は、自分の企ての実行のために不実な中間生物と反逆心のある人格の他集団を先導し、皆を編成した。一方ヴァンは、忠誠な中間者と他の忠実な集団を集め、惑星の部下と置き去りにされた他の天の人格救済のための重要な戦いを始めた。
67:3.4 忠臣者達は、この紛争中ダラマティアから数キロメートル東の無壁で、防備不十分な居留地に住んでいたが、用心深く絶えず気を配る忠実な中間生物が、その住居を昼夜警備されており、また彼らは、非常に貴重な生命の木を所持していた。
67:3.5 反逆勃発に際し、忠誠な智天使と熾天使は、生命の木の保護を引き受け、3名の忠実な中間者の助けを借りて、忠誠な40名の部下と変更された人間の仲間に限ってこのエネルギー植物の果実と葉の摂取を許可した。これらの部下の中には変更されたアンドン族の仲間が56名おり、不忠な部下のアンドン族の16人の従者は、主人の反逆参加を拒否した。
67:3.6 ヴァンは、カリガスティア反逆の極めて重大な7年間に人間、中間者、天使からなる忠誠な軍隊の援助に全霊を捧げた。宇宙政府に忠誠で、有能なヴァンのそのような揺るぎない態度からくる精神的洞察力と倫理上の堅実さは、明確な考え、賢明な論法、論理的判断、偽りのない動機、寡欲な目的、知性ある忠誠心、経験上の記憶、訓練された性格、そして楽園の父の意志を為すことへの自身の人格の絶対的献身の産物であった。
67:3.7 この待機の7年間は、心の探索と魂の鍛錬の時期であった。宇宙情勢のそのような危機は、精神的選択要因としての強い心の影響を示す。教育、訓練、および経験は、進化する道徳的な生 物すべての重大な決断の大部分の要因である。しかしながら、内在する霊にとり、楽園の父の意志と道への忠誠心からの素晴らしい行為のために完全に奉げている生物の意志に力を与えることができるように人間の人格の意思決定力と直接に接触することは、全く可能なことなのである。これが、まさにアマドンの、ヴァンの仲間の変更された人間の経験の上で起こったことである。
67:3.8 アマドンは、ルーキフェレーンス反逆においてずば抜けた人間の英雄である。アンドンとフォンタのこの男の子孫は、王子の部下に生命原形質を寄付した100人中の1人であり、その事件以来、仲間と人間の補佐としてヴァンに配属されてきた。アマドンは、長く耐え難い戦い中ずっと上司を支持することを選んだ。彼とその忠誠な仲間が、7年の紛争中、頭の切れるカリガスティアの欺瞞の教えのすべてに不屈の精神で抵抗する一方で、進化的人種のこの子供が、ダリガスティアの詭弁に動じることなく立っている光景は、奮い立たせるものであった。
67:3.9 宇宙情勢における最大限の知力と広大な経験をもって、カリガスティアは、身を誤った—罪に奉じた。アマドンは、最小限の知力で宇宙経験には全く欠ける状態で、宇宙業務と仲間への忠誠において忠実であった。ヴァンは、堂々たる、しかも効を奏する知的決断と精神洞察力との結合において心と精神の両方を活用し、その結果、達成し得る最上位の人格実現の経験的段階を達成した。心と精神が完全に結合されるとき、超人的価値の創造が、モロンチア現実の創造でさえも、可能である。
67:3.10 これらの悲惨な時代の動揺する出来事の物語に終わりはない。しかし、ついに最後の人格の最終的決定が下され、その時、しかもその時限り、エデンチアのいと高きものが、ユランチアの権威奪取のために非常勤のメルキゼデク達と共に到着したのであった。ジェルーセムでのカリガスティアの概観的治世記録は抹消され、惑星回復の保護観察時代が、始まった。
67:4.1 最後の点呼の際、王子の部下の有体の成員達は、次のように列をなしているのに気づいた。ヴァンとその全調整役員は、忠誠を通していた。アングと食料協議組織の3名の成員は、生き残った。家畜委員会は皆、畜産顧問全員と同様、反逆へと掃き集められた。ファドと教育学部の成員5名は、救われた。ノヅと産業と交易委員会の全員は、カリガスティアに加わった。ハプと啓示宗教の全協会は、ヴァンとその高潔な一団にずっと忠誠であった。ルツと全健康委員会は、身を誤った。芸術と科学協議会は、その団体に忠実であったが、部族政府のツツと代理委員会は皆、道をはずした。こうして、100名のうちの40名は救われ、後にジェルーセムに移され、そこで楽園への旅を再開した。
67:4.2 反逆に参加した惑星の部下の60名は、指導者としてノヅを選んだ。皆は、謀反を起こす王子のために専心誠意働いていたが、すぐに生命の体系回路の維持が剥奪されたと気づいた。皆は、自分達が死すべき存在の状態に下げられていたという事実に目覚めた。それらは、本当に超人的であるが、同時に有形で、死ぬべき運命にあった。ダリガスティアは、人数を増やそうとして、本来の60名と変更されたアンドン系の44名の仲間は、遅かれ早かれ死滅を被る運命にあることを熟知していたので、緊急有性生殖方策を命じた。ダラマティアの破綻後、不忠な部下は、北と東に移動した。その子孫は、ノヅ族として、またその居住地域は、長い間「ノヅの土地」として知られていた。[5]
67:4.3 反逆により取り残され、やがて地球の息子や娘と結婚するこれらの並はずれた超人的男性と超人的女性達の存在は、神が、死すべき者と配偶するために下りて来るという伝統的な物語の始まりとなった。こうして、反乱後日の事実に基づくものではあるが、無数の神話伝説が、始まり、それは、後にノヅ民族とその子孫とのこれらのつながりに加わった先祖である様々な民族の民話と伝統に場所を見つけた。
67:4.4 精神的な支えを剥奪された部下の反逆者達は、最終的には、自然死を遂げた。そして、人類のその後の偶像崇拝の多くは、カリガスティアの時代のこれらの高く崇めらた者達の記憶を永続させる願望から芽生えた。
67:4.5 100名の部下は、ユランチアに来たとき、各自の思考調整者から一時的に分離された。メルキゼデクが到着するや否や、忠誠な人格は、(ヴァンを除く)、ジェルーセムに返され、待機している調整者と再結合された。我々は60名の反逆者の部下の結末を知らない。それらの調整者は、ジェルーセムにまだいる。事態は、ルーキフェレーンスの反乱全体が最終的に裁かれ、全関係者の運命が決定されるまで違うことなく現状のままであろう。
67:4.6 カリガスティアやダリガスティアのような頭の切れる信頼を受けている者が身を誤る—裏切りの罪を犯す—と考えることは、天使や中間者のような者にとり非常に難しいことであった。罪を犯した者達—彼らは、故意に、あるいは予め考えて反逆を始めなかった—は、上司に欺かれ、信じていた指導者に惑わされた。原始の心をもつ進化する人間の支持を得ることは同様に容易かった。
67:4.7 ジェルーセムのルーキフェレーンスの反逆の犠牲者であったすべての人間、そして超人的な者達の圧倒的多数と誤り導かれた様々な惑星が、以来長い間心から自分達の愚かさを悔やんできた。だから我々は、最終的に高齢者達が、つい最近始めたばかりのサタニア反逆問題の裁決終了にあたる際、そのようなすべての誠実な悔悟者が、何らかの方法で名誉を回復し、宇宙業務のある局面に復帰されるであろうと信じている。
67:5.1 反逆扇動のおよそ50年後、ダラマティアとその領域に大混乱が続いた。徹底的、基本的な世界全体の再編成が試みられた。革命は、文化の前進と人種改良方策としての進化と取ってかわった。文化的状態に突然の進歩が、優れた部分的に訓練されたダラマティアとその近くの短期逗留者の間で現れたが、この新たで基本的方法が遠隔地の民族に試みられると、言葉では表現し得ない混乱と人種的大混乱という即座の結果が生じた。自由は、半ば進化した当時の原始人により放埓へとすばやく変えられた。
67:5.2 反乱直後、扇動の部下全体は、時期尚早に教えられた自由主義の結果都市の壁を包囲していた半野蛮人の大群に対し精力的に都市防衛にかかわった。そして、誤った方向に導かれ、間違ったことを教えられたダラマティアの辺境部族は、美しい本部が南の海中に没する何年も前に、すでに見事な都市に半野蛮的攻撃で押し寄せ、脱退部下とその仲間を北方へと追い立てた。
67:5.3 個人の解放と集団の自由に関する考えに基づく即座の人間社会再建のためのカリガスティアの企みは、迅速かつ、ほぼ完全な失敗であると分かった。この大変動が世界を混乱よりもひどい錯乱状態にしたままの社会は、早速もとの古い生物水準に下落し、カリガスティアの企て開始時の前進状態からはそれほどかけ離れていないところから前進への戦いが、再び始まった。
67:5.4 ダラマティアに高波が、反乱から162年後に押し寄せ、惑星本部は海下に沈み、しかもこの陸地は、素晴らしい時代の気高い文化のほとんど全ての名残りが抹消されるまで二度と浮上はしなかった。
67:5.5 それは、世界最初の首都が吸い込まれると、ユランチアのサンギク人種の最低の型だけを、すなわちノグ、つまり光と火の偽の神に捧げられる神殿としてすでに父の寺を変換してしまった裏切り者達だけを匿った。
67:6.1 ヴァンの追随者は、かつてバドナン系の初期の前任者全員が、サンギク部族誕生時代の直前に、無意識に人類の福祉のために尽くしたことがあったように、早くにインドの西の高地に退却し、混乱した低地の人種による攻撃を免れ、撤退した場所からの世界の再建計画を立てた。
67:6.2 ヴァンは、メルキゼデク接待者の到着以前、人事の事務処理を各4名からなる10の委員会、王子の体制に全く相等しい集団の手に委ねた。先輩の居住の生命搬送者達は、40名のこの協議会の一時的な指揮を引き受けた。この40名は、7年間待機して機能した。アマドン系の同様の集団は、39名の忠誠な部下がジェルーセムへの帰還時にこれらの責任を担った。
67:6.3 アマドンのその名前によって知られるようになったこれらのアマドン部族は、アマドンが属した144人の忠誠なアンドン系からの派生集団であった。この集団は、39人の男性と105人の女性から成った。56というこの数字は、不滅状態であり、すべて(アマドンを除く)が、部下のうちの忠誠な成員と共に移動させられた。この高潔な一団の残りは、ヴァンとアマドンの指揮下にあって、各自のこの世での終わりまで地上での活動を続けた。それ等は、数を増やし、反乱後の長い暗い時代を経て指導力を世界に提供し続けた生物上のパン種であった。
67:6.4 ヴァンは、惑星で機能するすべての超人的人格の名義上の首脳として留まり、アダームの時代までユランチアに残された。ヴァンとアマドンは、15万年以上メルキゼデクが専門とする生命の奉仕とともに生命の木の手法に支えられた。
67:6.5 ユランチアの業務は、長い間12名のメルキゼデクからなる惑星の接待役の協議会に取り仕切られており、ノーランティアデクのいと高きもののである星座の先輩の支配者の命令により承認された。メルキゼデクの接待役に関連するものは、次のもの達を含む顧問協議会であった。堕落した王子の忠誠な補佐うちの1名、居住する生命搬送者2名、見習訓練中の三位一体化された息子、篤志の師なる息子、アヴァロンの光輝く宵の明星(周期的に)、熾天使と智天使の長たる者達、隣接する2惑星からの顧問、下位の天使の活動の長官、それに中間的被創造物の最高司令官であるヴァン。ユランチアは、こうしてアダームの到着まで治められ管理された。勇敢で忠誠なヴァンに、久しくユランチア業務を管理した惑星の接待役の協議会の位置が割り当てられたということは、不思議ではない。
67:6.6 ユランチアの12名のメルキゼデク接待役は、勇敢な働きをした。それらは、文明の遺物を保存し、ヴァンは、自分達の惑星の方針を忠実に実行にし移した。ヴァンは、反乱後の1,000年のうちに進化した350以上の集団を広く世界に点在させた。この文明の前哨部隊は、サンギク人種とわずかに混合された子孫、特に青色人種、およびノヅ系との忠誠なアンドン系の子孫がおもであった。
67:6.7 地球の生物学上の将来性にとって数多くの良い血統は、猛烈な反乱の妨げもかかわらず存在した。ヴァンとアマドンは、メルキゼデク接待役の指揮の下に、物質の息子と物質の娘のユランチア派遣を保証するために、人の物理的進化を最高点に到達するまですすめて、人類の自然な進化を促進する仕事を続けた。
67:6.8 ヴァンとアマドンは、アダームとハヴァーの地球到着直後まで留まっていた。両者は、その数年後、ジェルーセムに転任され、ヴァンは、待機していた調整者とそこで再結合された。ヴァンは、楽園完成と集合中の人間の終局部隊の明かされていない長い長い小道へ進めという命令を待ち受ける間、ユランチアのために今は働いている。
67:6.9 星座の父は、ルーキフェレーンスがユランチアでカリガスティアを支えた後に、ヴァンがエデンチアのいと高きものに訴えると、ヴァンの主張のあらゆる点で彼を支える即座の決定を送ったということが記載されるべきである。この答申は、送信中に惑星の通信回路が断ち切られたのでヴァンには届かなかった。ユランチアの孤立以来ずっとエネルギー伝達装置に詰まっていたこの実際の裁定が発見されたのは、つい最近のことであった。この裁定の発表は、この発見がなければ、ユランチア中間者の調査の結果としてユランチアの星座巡回への復興を待ち受けていたことであろう。エネルギー伝達装置は、情報の受信や送信はできるが、伝達の開始はできないので、惑星間の通信のこの外見上の偶然は、可能なのであった。
67:6.10 サタニアの正当な記録の上でのヴァンの形式上の地位は、エデンチアの父のこの裁定がジェルーセムで記録されるまで、実際には、しかも最終的には定まっていなかった。
67:7.1 光に対する被創造物の意図的かつ永続的な個人の(求心性の)結末は、必然でも個別でもあり、また神性にとっての、そしてその被創造者個人にとっての関心事である。魂を滅ぼす邪悪のそのような収穫は、邪悪な意志をもつ被創造者の内面を刈り取るものである。
67:7.2 しかし、罪の外側からの影響においてはそうではない。受容した罪の非個人的(遠心性の)結末、そのような出来事の範囲内で機能必然でもあり、集合的でもある。
67:7.3 地球の業務は、惑星執行部崩壊後の5万年までには、人類が、カリガスティア到着時点の35万年前の総体的進化状態にはとうてい達し得ないほどに非常に混乱し、停滞していた。ある点での進歩は見られていた。他の方面では、多くの地盤が失われていた。
67:7.4 罪のその影響は、決して純粋に局部的ではない。宇宙の管理部門は生物体である。1人格の苦況は、ある程度まではすべてによって共有されなければならない。罪というものは、人が現実に向かいあう態度であることから、ありとあらゆる宇宙の価値水準にその固有の負の収穫を提示するように運命づけられている。しかし、誤った考え、悪行、または罪深い計画の全体の結果は、実際の履行段階でのみ知る。宇宙の法に対する違反は、心に真剣にかかわることなく、または精神的な経験を害することなく、物質領域には致命的であるかもしれない。罪は、それが全人間の態度であるときにだけ、心の選択や魂の望みを意味するときにだけ、人格生存への致命的結果をともなう。
67:7.5 悪と罪は、物質的、社会的領域においてそれぞれの結果をもたらし、また、時として宇宙現実のある段階の精神的進歩を遅らせさえするかもしれないが、ある者の罪が、他者の人格生存にかかわる神性権利の実現を奪うことは決してない。永遠の生存は、心の決定と個人自身の魂の選択によってのみ危険に曝されるのである。
67:7.6 ユランチアにおける罪は、生物進化を遅らせることはほとんどなかったが、人類からアダームの遺産の全恩恵を奪う働きをするのである。罪は、知能の発達、道徳的成長、社会的進歩、および集団の精神的到達を途方もなく遅らせる。しかしそれは、個人が、神を知り、心から神の意志をすることを選ぶ精神上の最高の成就を妨げたりはしない。
67:7.7 カリガスティアは、反逆し、アダームとハヴァーは、履行をしなかったが、その後ユランチアに生まれる必滅者の誰とても、これらの大失敗のせいで個人の精神的経験で苦しむことはなかった。カリガスティアの反逆以来、ユランチアに生まれるすべての必滅者は、いくらか時間的に罰せられてきたが、そのような魂の将来的幸福が永遠に危険に晒されたことはかつて一度もない。誰も他人の罪のために極めて重要な精神的剥奪を受けはしない。罪は、管理的、知的、社会的領域におけるその広範囲の影響にもかかわらず、道徳上の自責、あるいは精神的結果において全く個人的である。
67:7.8 我々は、そのような破局を可能にする知恵の測定ができない一方で、宇宙全体で反映されるときこれらの局部的混乱の有効な結果についていつでも明察することができる。
67:8.1 ルーキフェレーンスの反逆には、サタニアの様々な世界における多くの勇敢な存在者が抵抗した。だがサルヴィントンの記録は、扇動の上げ潮におけるアマドンの栄光的拒絶において、またヴァンへの揺るぎない献身において、全組織の傑出者としてアマドンを描いている—ヴァンとアマドンは、目に見えない父とその息子マイケルの主権への忠誠において不動状態で並んで立った。
67:8.2 私は、これらの重大な出来事の時点、エデンチアに配置されており、試験的かつ初めてのアンドン部族の血統からのかつての半野蛮人の信じ難い確固たるもの、並外れた献身、見事な忠誠心を日毎に告げるサルヴィントン放送をよく調べたときの経験した陽気さをいまだに覚えている。
67:8.3 すべての下位の天の存在体からの長い7年間のサタニア反乱に関する第一の問合せは、エデンチアからサルヴィントンへと、さらにはユヴァーサにまで変わることなくずっと、「ユランチアのアマドンはどうした。まだ固守しているのか。」であった。
67:8.4 もしルーキフェレーンスの反逆が、局部体制とその堕落の世界を不利な状態にしたのならば、もしこの息子とその惑わされた仲間の喪失が、一時的にノーランティアデクの星座の進歩を妨げたのならば、その不忠な上司が、揮ったそれほどに途方もなく不利な圧力に直面し、宇宙の管理と行政のより高い概念のためにしっかりと立ち上がるこの一人の自然児の奮い立たせる業績と、断固たるその143人の彼の仲間の一群の広範囲にわたる提示の効果を比較せよ。そして、きみを安心させてあげよう。これは、かつてルーキフェレーンスの反逆のすべての悪と悲しみの全体的結果を十二分に上回るほどに、すでにネバドンの宇宙とオーヴォントンの超宇宙により多くの益をもたらしたのである。
67:8.5 そして、このすべてが、楽園に人間の終局部隊を集結するために、また必滅の運命にある者—堅固なアマドンのような必滅の運命にある者—の上向きの前進の多くは平凡な粘土から未来の神秘的な使用人のこの広大な集団編成のために、父のもつ宇宙の英知ある計画の美しく感動的、かつ素晴らしく壮大な照明なのである。
67:8.6 [ネバドンのメルキゼデクによる提示]